🍓静かなるいのちの時間

静かなるいのちの時間 いちご

来シーズンに向けて、
いちごの苗が育っています

夏のハウスには、やわらかな緑が並んでいます。
小さな葉を風に揺らしながら、いちごの苗たちは静かに、けれど確かに「未来」を育んでいます。

写真に写っているのは、親株から生まれたばかりの苗たち。
真っ直ぐに伸びた赤い茎、産毛のような毛がふわりと立つ葉脈。
それぞれが新しい季節を迎えるための準備を始めています。

「いちごは春の果物」というイメージがあるかもしれませんが、
本当は、夏のこの時期こそがいちご作りにとって、とても大切な時間。
どの苗も、冬の寒さに耐え、春の甘さを実らせるために、
今、じっと根を張り、光を浴び、力を蓄えているのです。

私たちの仕事も、この時期にこそ手間がかかります。
土の状態を確かめ、苗のひとつひとつを丁寧に見守る日々。
「大きくなったね」「もう少し元気が欲しいかな」そんな声をかけながら、
まるで子どもを育てるような気持ちで、毎日向き合っています。

今すぐに実を結ぶものではありません。
でも、半年後、1年後に「あの味」を届けるために。
この小さな命の成長を、心を込めて支えています。

夏休みをいただいている間も、いちごのハウスは生きています。
私たちは、次の季節に向けて、農園の「心臓」を静かに動かし続けています。

「また来シーズンも楽しみにしています」
そんなお客様の声が、どれほど私たちの支えになっていることでしょう。
ありがとうございます。

秋風が吹くころには、この苗たちがさらに力強く成長し、
やがて春には、真っ赤ないちごとして皆さまのもとへと旅立ちます。

また季節がめぐったとき、
「この夏の静かな時間があったからこそ」
そう思っていただけるいちごを、お届けできますように。

どうぞ、楽しみにお待ちいただければ幸いです🍓